クールな御曹司と愛され新妻契約
遠慮なく与えられる快楽に、思考が霧散していき、ビクビクと震える足ではもう立っているのも限界だった。

私は足元から崩れ落ち、とろとろにとろけた熱い瞳で千景さんを上目遣いに見上げる。

「その表情、たまらないな。もうずっと前から、俺は、あなたを俺に溺れさせたいという独占欲でいっぱいなんです。――覚悟は、できてますか?」

覚悟って、なにの?

「麗さんの全てを、暴きたくてたまらない」

ベッドへ運んでも? と低い声音で誘うように囁かれて、ゆらゆらと揺蕩う意識が、だんだんと覚醒していく。

こ、こんな明るい時に、ベッドで……なんて、無理に決まってる!

「だ、ダメです! ひゃあっ」

素肌に感じる柔らかな唇の熱に驚き、視線を下げれば、私のスーツのジャケットは足元に落ち、乱れたブラウスはいつの間にかボタンが半分も外されていて、ブラジャーに包まれた両胸が露わになっている。

私は両腕で慌ててそこ隠して、羞恥心で真っ赤に染まった顔で抗議した。

「そ、それに、まだ、ちゃんと解決していないことがありますっ」

「まだあるのか……」

げっそり、と言った様子で千景さんは顔を覆う。
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