クールな御曹司と愛され新妻契約
今のところ私生活も仕事も順調で、毎日が幸せすぎるくらい順風満帆に進んでいると言っていい。

――千景さんに契約結婚をしてもらえて、本当に良かった。

私が毎日そう実感しているように、彼が少しでもそう感じていてくれたら……契約結婚の相手として冥利に尽きる。

同じ気持ちだったら、いいな。
ふにゃりと顔が緩むのを抑えながら、私は千景さんの家を出た。



それから二日後の日曜日。結婚の報告を互いの家族へは済ませていたものの両家の顔合わせを行なっていなかった私達は、遅ればせながら食事会を行うことになった。

その場所に選ばれたのは、赤坂にある高級料亭だ。
千景さんが全て手配して両家の家族を招待してくれた。

ここでまさか契約結婚だということがバレたらどうしよう……っ!

と、私は終始受け答えに緊張しながら、気を抜けば小刻みに震えだしてしまう箸先で、美しく盛り付けられた懐石料理をできるだけ上品に口へ運ぶ。

お料理をいただきながら和やかに歓談が進んでいた顔合わせだったが、「それで、二人の結婚式はいつにするんだ」という父の質問に、私は背筋が凍った。
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