ストーカー
今は肌色の手の形をした義手を付けて、制服姿だった。


事故に遭ってから学校をやめたのだとばかり思っていた。


「座って」


突っ立ったままのあたしへ向けて西村君は言った。


あたしは西村君の前の席に座った。


こうして対面しているだけなのに、緊張で倒れてしまいそうだ。


「そんなに硬くなるなよ。俺たち恋人同士なんだからさ」


そう言って歯をのぞかせて笑う西村君。


あたしは全然笑えなかった。


誰のせいで病気になったと思ってるんだ。


「なにか注文すれば?」


そう言ってあたしにメニューを差し出して来る。


あたしはそれを受け取り、開いた。
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