無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「式場……」

「そろそろ決めないといけないだろ?
どういうのがいい?」

「近場で少人数、ガーデンも捨てがたいけど天候に左右されやすいから……」

「室内がいい?
こういうのもあるけど」

カチッとマウスをクリックして表示されたのは、全面ガラス張りのチャペル。
目の前には海が広がっていて室内なのにも関わらずガーデンにいるような、そんな様子に真未は一目で釘付けになった。

「素敵……」

「真未が好きそうだと思ってさ、見学の予約も取ってみたけど行く?」

「うん、行ってみたい」

未だに画面に見惚れたまま頷くと、朝陽は頭に軽く口付けてから、じゃあ用意して。と言ってきた。

「用意?なんの?」

「式場見学、行くんでしょ?」

「え?今から!?」

「そ、今から」

驚きのあまり目を丸くする真未に、してやったり顔を向ける朝陽。
恐らく数日前から真未の好みそうな式場を探していて、たくさんある中でもこの式場を見つけて予約していたのだろうと無駄のない動きの朝陽に閉口してしまう。

「本当、朝陽に敵いそうにないわ」

「それはお互い様だけどね」

「え?」

「さ、早く用意して。
置いていくよー」

「ま、待って!
て言うか離してくれないと用意できないじゃないっ」

朝陽の膝の上、しっかりまだ抱き締められた状態で真未は離れようと暴れるけれど、朝陽はさらに強く抱き締め直して話す気配はなかった。

「ほら、早く抜け出さないと間に合わないよ?」

「もうっ!
はーなーしーてーっ!!」

離れようと奮闘する真未に肩を揺らして笑いながら離さない朝陽。
真未が朝陽から解放してもらったのはそれからたっぷり一時間経ってからのことだった。
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