無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「よかった、真未ちゃん元気になったみたい」

あれから一ヶ月以上経ち、結婚式に向けての準備も全て終わってついに明日の式を待つばかりとなった。
前祝いとして遊びに来てくれた姉夫婦達を迎え入れ、リビングのソファーに座る陽菜と勇人、そしてラグの上で子供と遊ぶ朝陽を前にして言われた言葉に真未は目を丸くした。

「陽菜さん、気づいてたんですか?」

「ウェディングドレス見に行ったときにね。
真未ちゃん、指輪を選びに行く話をしたらほんの少しだけ顔色変えたから」

マリッジブルーかなって思ったの。と話す陽菜に真未は頷くと、さすが朝陽のお姉さんですね。と苦笑した。
細かいところによく気がつくなぁと焼いたばかりの蒸しパンをテーブルに置いてソファーに座ると、姿勢を正して真っ直ぐ陽菜を見つめた。

「もう大丈夫です。
ご心配おかけしました」

「ううん、心配はしてなかったの」

にこやかに微笑みながら言う陽菜に真未は呆気にとられると陽菜は、だって相手が朝陽だもの。と言った。

「朝陽のことだから真未ちゃんのことは目敏く気づくと思ったし、どんな手を使ってでも解決するんだろうなってわかってたから」

「なんか全く誉められてる気がしないのは何でだろうね」

全く聞いてなさそうなふりしてしっかり聞いていたらしい朝陽に苦笑すると、真未はそうですね。と頷いた。

「私も相手が朝陽だから……だからこれから先、何があっても大丈夫だと思います」

朝陽がいてくれたら大丈夫。
そう微笑んだ真未に陽菜と勇人は優しく微笑み朝陽は、うわー。と小さく声をもらした。
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