無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「そんなの、確認しようがないじゃない」

「そうだよ。
だけど、お父さんはそれを条件に結婚を許してくれたんだ」

「どうして……」

「真未が卒業まで結婚する気がないのを知ってたからかな」

どういうことだと朝陽を見つめると、まだ目を瞑ったままの朝陽は真未と額を合わせると深く息をついた。

「“子供が出来てしまったら大学を卒業したいっていう真未の願いが叶わなくなるかもしれないから”そう言ってたよ」

「あ……」

「確かめようはないかもしれないけどさ、俺だって真未の願いは出来る限り叶えたいし、真未のことを想うお父さんの気持ちを大事にしたい」

でもさ……。と小さく呟くと、朝陽はぎゅうぎゅうと抱き締めてくる。
いい加減苦しくて背中を叩くが朝陽に離す気配がなく、離して。と口を開こうとしたらその前に朝陽が言葉の続きを声にした。

「こんなに大好きな真未がずっと一緒にいるのに我慢しないといけないのは正直辛いんだよね」

「あさ……」

「だからさ、真未も一緒にあと数ヶ月、我慢してくれる?」

そう言ってやっと目を開いた朝陽は困ったように微笑んだ。
真未が感じていたもやもやと不安に一早く気づいてくれていた朝陽に真未は涙が込み上げてくるとしっかり頷いた。

「こんなに我慢してるんだから、初夜は覚悟しといてよ?」

「えっ」

「絶対、離してあげられないと思うから」

これは本気で覚悟しないといけないのかもしれないと、ニヤッと笑う朝陽に顔を引きつらせてしまう。
けれど、今までのもやもやも不安もすべて一気に吹き飛んでいってしまったようにも感じて、やっぱり朝陽に敵いそうにないと改めて思った。
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