無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「私は朝陽を幸せにしたい。
ううん、絶対幸せにしてみせるから覚悟してて?」

「真未……」

呆気にとられたような顔をしていた朝陽はすぐにふっと微笑むと真未を抱き上げた。
朝陽より視線が高くなり、慌てて両肩に手を置くとその場でくるくると回り出す。

「やっぱり最高だな。
可愛い真未も好きだけど、男前な真未も好きだよ」

「……私も、どんな朝陽も大好きよ」

どちらからともなく顔を近づけて触れるだけのキスをすれば、招待客からの冷やかしの声が聞こえてきて二人で肩を竦めた。

「そう言えば、どうしてもこの日がいいってお父さん達に言ったって聞いたけど、どうして今日だったの?」

「……やっぱり気付いてなかったんだな」

その問いに朝陽は苦笑するとそっと真未の体を下ろすが回された腕は離れないまま、空いている方の手を頬に添えられると顔を近づけてきて、触れあう直前で止まると目を細めた。

「今日は、真未が何年もかけてやっと俺への想いを自覚してくれた日。
付き合い始めた記念日だよ」

「あ……!」

父親の言う通り、大事な記念日を忘れていたらしいと目を見開くと、朝陽は眉を下げて微笑んだ。

「結婚記念日はさすがに忘れないでほしいもんだな」

「……努力します」

その返事に朝陽は、うん。頑張って。と微笑むと優しくキスをした。
招待客から黄色い声が上がり、再びたくさんのフラワーシャワーが降り注ぐ。
その中心で真未は朝陽の腕の中、幸せな気持ちで満たされるのだった。
< 189 / 189 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:145

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
「そうそう、藍里。 明日お見合いするから予定開けといてね」 突然言われた母親の言葉。 男性恐怖症なのに結婚なんて出来るはずがないと言えば 相手は幼馴染みだから大丈夫だと言われ……。 永瀬藍里(ながせ あいり) 旧姓 小蔦(こづた) 小さい時から喘息の持病持ち。 あることが原因で男性恐怖症に。 × 永瀬智大(ながせ ともひろ) 藍里の男性恐怖症の原因である幼馴染み。 嫌われているはずなのに、何故智大が結婚に同意したのか分からないまま一年。 息が詰まる暮らしを続けて身も心も限界に近づいていた藍里は、ある事件に巻き込まれて……。
クールなアイドルの熱烈アプローチ

総文字数/139,078

恋愛(純愛)242ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
秋村陽菜(あきむら ひな) 人見知りであがり症な新人モデル × 越名勇人(こしな ゆうと) トップアイドルグループ『Kaiser(カイザー)』の一人 雑誌で一目、陽菜を見かけたときから気になっていた勇人。 その想いが恋だと気づいた途端、彼の熱烈なアプローチが始まりーーー ********************** この話で登場する朝陽の恋愛模様を書いた 【無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした】 二人の娘の勇菜が主人公 【秘密にしないスキャンダル】 二人の息子が登場する陽人の恋愛模様を書いた 【二人を繋ぐ愛の歌】 の三作品をスピンオフ作品として公開中です。 **********************
二人を繋ぐ愛の歌

総文字数/163,044

恋愛(純愛)284ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
他人に興味がなく 人の顔も名前も覚えるのが苦手。 嶋川沙弓(しまかわ さゆみ) × 髪はボサボサで長い前髪で顔を隠した陰気な雰囲気だけど明るい性格でよく笑う。 越名陽人(こしな はると) 叔父の手伝いで弁当の配達をしているときに出会った男性、陽人の正体は有名なアイドルだった!? 「俺は君に興味を持ったから、もっと君を知りたいと思って会いに来たんだ」 「……でも、私はあなたに然程興味を持ってない上に知られたくもないんですけど」 いろいろと強引な陽人に戸惑いがちだった沙弓だったけれど…… 「いくら沙弓でも、俺が大切に想ってる人を貶める言い方は許さないよ」 ……もう駄目だーー。 陽人から向けられる真剣な想いに沙弓はもう限界。 甘い言葉を伝えてくるのに、ある野望を達成するまで恋人関係にはなれなくてーー ********************** 1【クールなアイドルの熱烈アプローチ】 陽人の両親の話です。 2【無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした】 陽人は出ないですが、この作品に登場する朝陽の話です。 3【秘密にしないスキャンダル】 妹の勇菜の話です。 **********************

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop