新堂三兄弟のお姫様

妃乃「嫌いになった訳じゃない。
那野の事は今でも変わらず大好きだ。
でも、私の世界の中で1番を
決めるのなら、あの3兄弟と
大人になってからも仲良しでいる事だった。
1番を選んじゃダメだった。
那野の事は好きだけど
仁野と喜野に辛い思いをさせてまで
貫き通すような気持ちじゃなかった。
私は、今の自分が大嫌い。」

解けない問題を諦める事はしたくない。
だけど、解けない問題を
理解する事の方が無理だった。

だから、私は逃げる。
解けない問題をこれ以上作らないために
初めから、問題を解かないようにする。

家に帰った私は両親に私の気持ちと
分厚い資料を預けた。
最後の最後に背中を押してくれるのは家族。
那野でも仁野でも喜野でもない。
血の繋がった家族だ。
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