新堂三兄弟のお姫様

久しぶりの那野の部屋は
当たり前だけど何も変わってなかった。

ほんの数ヶ月前までは毎日が幸せだった。
大好きな那野と同じ高校に通える日々を
心待ちにしていた。
たのしい高校生活が待ち受けてると
期待していた。

その頃が今は懐かしい。
今にも流れ出そうな涙をグッと堪える。

妃乃「私、編入しようと思ってる。」

那野「編入?」

妃乃「元々行こうと思ってた学校に
通おうと思うの。」

浅はかかもしれないけど
那野と別々の高校に通えば
私たちはまた昔みたいな
幼馴染の仲良しに
戻れるんじゃないかと思った。
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