過去の精算
「でも初め、そんな感じじゃなかったじゃん!
側に置く女とか言ってさ?」
「…酷かったよな?」
「ホントだよ?
再開した時の前谷君と、今の前谷君とじゃ考えられないほど、別人だもん! キャラ全然違う!
再開した頃の前谷君、私の中じゃホント最悪だった」
「ごめん…」
「でも、今は、私の知ってる前谷君だって分かったから許してあげる」
「じゃ、結婚してくれる?」
「私で良いの?」
「未琴が良い」
「宜しくお願いします」と私が頭を下げると、彼もまた、「宜しくお願いします」と頭を下げた。
なんだか互いに頭を下げ合うのが可笑しくて、いつのまにか二人は大笑いしていた。
「明日、院長に報告に行こう?」
「うん!」