過去の精算
「じゃ、年齢確認も出来た事だし、皆んななに飲む?
おっと! 聴き忘れるとこだった、今日は車じゃ無いよね?」
フォークリフトのライセンス証を見せた、富田君ことトミー君が、歩きで来たと教えてくれた。
「ヨシ! アルコール許可しよう!
なに飲む?」
それぞれが、ビールやチューハイ、ハイボールと言う中、ヒロ君だけが、“ ウイスキーダブルで!” と言った。
ウイスキーをダブル?
すると、トミー君から、“ お前ウイスキーなんて飲めないだろ?” と突っ込みが入った。
私のサブに付いていてくれた朱里ちゃんも
“ 無理して背伸びしない方が良いわよ? ” と笑う。
朱里ちゃんに笑われた事で、更に悔しそうにするヒロ君に、私は、“ 分かった ” と言って、カウンターからウイスキーと炭酸水を持ってきた。
通常、ダブル(ツーフィンガー)と言うと2オンス(約60ml)の量になる。
簡単な計測の方法は、グラスに指を横にした状態で当てて、指2本分をグラスに注ぐ。
男性の指と女性のゆひの太さは違うから、女性が入れると少し少なくなってしまうから、その辺は、考えて注がなくてはならない。
だが、飲み慣れていないヒロ君に、ウイスキーをダブルで出す事は危険だ。
もし、一気に飲んだりしたら…
だから私は、グラスを少しテーブルから浮かす様に持って、少なくなる様にグラスの底より少し下を持ち、私の指2本分のウイスキーを注ぐ。
そして、私はヒロ君に聞く。
「飲み慣れてるなら、チェイサーって知ってるわよね?」と私は聞く。
彼は、少し驚いた顔をして、“ も、勿論、知ってる!” と言う。
「念のために言うけど、ウイスキーを楽しむには、ウイスキーをほんの少し味わう様に飲んだら、このチェイサーを飲むのよ?」と炭酸水を別のグラスへ注ぐ。
「分かってる!」
彼は、舐める様に飲んでは、チェイサーを飲んでいた。
もう、無理しちゃって…