過去の精算

「折角、私が頑張って作ったのに…
ヒロ君は、食べてくれないんだ?
そっか…食べたくないなら仕方ないよね?
ちょっと悲しいけど…」

私は手で顔を覆い、泣いてるふりをする。

「おねぇさん、ヒロの分まで俺達が食うから、泣かないで?」と林君が言う。

「林君有難う…君は優しいね?」

「分かったって!
食えば良いんだろ? 食えば!」

こんな子供騙しが通じるなんて、ヒロ君チョロい!

「どう美味しい?」

「ああ!」

「そっか? 良かった!」

喜んでいると、店のドアが開きスーさんと一緒に事務長が入って来た。

「いらっしゃい…ませ」

ゲッ!
なんでまた…こんな日に来るかな?

“ヒロ君達に “ ごめんね?” と言って、事務長達の席へ行く。

「モーさんいっらしゃい!」

「あれキャサリンちゃん、結婚して辞めたって聞いてたけど、戻って来たの?」

「ワタシの旦那さん、お金キビシイです!
ワタシ、それコマリマス!
フランスで、ママがナイテマス!」

「えっ! キャサリンちゃんのママ、もしかして病気なの?」

驚いて心配してくれる事務長に、私の方が驚き焦ってしまう。

やばっ
自分で作った設定が分からなくなって来た。
キャサリンのママってどうなってたっけ?

「キャサリンちゃんのママ、今フランスにいて、キャサリンちゃんに会え無いから、寂しがってるのよね?」

助け舟を出してくれたのは、舞さんだった。

「そ、そうです!
ワタシ、ママに会いに行きたいです…」

「旦那さんが、飛行機代出してくれ無いから、キャサリンちゃん、うちにまた働きに来てるのよ?」と言ってくれる舞さん。

「頑張って、ワタシ働きます!
モーさんも、頑張って来てくださいね?」

事務長は約束すると言って、ボトルを入れてくれた。

「merci チュッ」





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