過去の精算
そして、全ての悪事に事務長が関わっている事も分かってると彼が言うと、今迄平静を装っていた事務長の顔は青ざめた。
「わ…私は…なにも…」
「金の管理はあんたが行なっていたんだ、そのあんたがなにも知らない訳ないよな?
億もの金が消えてるんだから!」
億…?
前谷君の問い詰めに対して、なにも知らないと言い張る事務長に、私は、自分の持っている証拠を出す事にした。
「これは、事務長が自ら私に話したものです」
私はテーブルにスマホを置き、録音した物を再生して、そこにいる皆んなに聞かせた。
それを聞いた事務長は目を見開き凄く驚いている様だった。
そして、キャサリンの正体を知った事務長は、蚊が泣くほどの小さな声で、“ キャサリン ” と、私を呼んだのだ。