過去の精算
町から少し離れた小さな教会で、私達は今日、式を挙げる。
列席者はほんの僅かではあるが、舞さんや朱里さんも来てくれた。
そして、彼の、いや私達の同級生が何故か沢山来てくれてる。
彼が、中谷君には連絡したと言っていたから、きっと、中谷君が声を掛けたのだろう。
花嫁側の参列者席の一番前の席には、私の後見人であるライオンのママが、そして、新郎側の一番前には彼の母親である、みち子さんが・・・
彼は、みち子さんを呼ぶ事は反対していたが、私がみち子さんに連絡して、来てもらったのだ。
式が始まる前に、彼女が来ている事に気付いた彼は、怒り、彼女を追い帰そうとしたが、グッドマンさんが、それを止めてくれた。
グッドマンさんやブレナさんには、私達の事は多少話していたのだ。
「結婚式は女性のモノだ。
彼女が良いと言うなら、良いんじゃ無いか?
俺だって、アンジェラの意見を尊重してるんだぞ?」
「カズ、お願い。 みち子さんにも出席して欲しいの…」
「…っ勝手にしろ!」
彼は納得はして無いものの、彼女の参列を許してくれた。
私は、今、父の腕に手を掛け、もうすぐ開かれる扉の前に立っている。
「未琴、とても綺麗だよ」
父は、母にウェディングドレスを着せてやりたかったと言ってくれた。
「お父さん…私をずっと見守ってくれて、ありがとう。
きっと、お母さんも喜んでると思う」
私は空を見上げ、ね?と微笑む。
大きな扉が開き、パイプオルガンの音と共に、父と一歩一歩、彼の元へと歩いて行く。
彼の元へ着くと、父から彼の腕へと引き継がれ、牧師さんの前に立つ。