過去の精算
彼等が行ってしまった為、式は途中で終わってしまったが、教会の庭では立食パーティーが始まった。だが、一人だけ帰ろうとするみち子さんを、見つけた。
「みち子さん!」
「気づかれない様に、帰ろうと思ったのに、見つかっちゃった?」
「もう帰っちゃうんですか?」
「鬼姑はここで退散するわ? 彼も迎えに来てるし?」
みち子さんの示す方には、以前、みち子さんを送って来てた、男の人が居た。
「みち子さん、彼って…」
「そう。
あなたも会った事あるホストだった彼よ?
彼ね、お金の無い私でも一緒に居てくれるって言うの?」
そうなんだ…?
結構いい人なのかもね?
「たまには、うちに顔だしに来て下さいね?
あっ、でも、私の下着を盗んだり、切り刻んだりしないって約束のもとですが?」と私は笑う。
みち子さんは、私に謝ったうえで、あの時は切羽詰まっての事だったと言う。なかなか私が彼のもとへ行かない事に、何か怖い目にあえば、彼との結婚も早まると思ったと言う。そして、母の位牌を壊したのは、母への嫉妬だったと話した。
「亡くなってる母へ嫉妬?」
「亡くなってるからこそよ?」
父の想い出の中の母は、何時迄も綺麗なままで、色褪せることは無く、それがずっと悔しかったと言い、酷い事をしたと頭を下げてくれた。
「もう済んだ事ですから…忘れましょう?」
「ありがとう。
あんな幸せそうな和臣見たの初めてよ?
呼んでくれて有難う。
もう会う事も無いと思うけど、和臣とあの人の事宜しくね、お幸せに!」と言って、彼が待つもとへと走って行った。
「お義母さんも、お幸せに!」
好きな人の元へ走る彼女は、まるで恋をしてる少女に見えた。
「彼女なんだって?」と、いつのまにか、私の後ろに立っていたママが聞いた。
「彼と第二の人生歩むそうです」
「きっと、あの女狐が改心することは無いわね?」
「いいえ、しますよきっと・・・
しなかったら、私がさせます!」
側に、愛してくれてる彼がいるんだもの?
きっと彼女も変わる。
「あら、嫁の方が怖いわね?」と、ママ言うと、パーティーの中へと入って行った。