過去の精算
「お待たせしました」
「いや、僕も今来たところだから」
助手席のドアを開けられ、乗り込むと前田先生は “ お疲れ様 ” と労いの言葉を掛けてくれた。
「あっ先生もお疲れ様でした」
「さぁ、何食べに行こうか?」
「えっ! 先生のお祖母様は?」
「え? ああ、ごめん。
なんか急用が出来たらしくてさ、二人で食事して来てくれって?」
「あの…それでしたらまたの機会に?」
「良いじゃん! 年寄りなんか居ない方が?
食べ物の趣味も合わないだろうし?」
年寄り…なんか…って…
自分のお祖母様なのに…
「あっそうだ!
美味しいワインを揃えてる、フレンチの店があるんだけど、そこで良い?
そこなら個室もあるから、ゆっくり食事出来るよ?」
「えっでも、先生はお車だから飲めませんよね?」
「勿論、僕は飲まないよ?
飲酒運転になっちゃうしね?」