過去の精算
ダブルワークをする様になって、2週間。
借金を早く返す為に、毎日休まず働いている。
夜の仕事を休むのは、夜勤の時だけだ。
その為か、疲れが全然抜けない。
「ねぇ、最近顔色悪くない? 大丈夫?」
澤さんの声掛けに、大丈夫と頷いていると、欠伸が出てしまった。
慌てて口を手で押さえるが、欠伸が止まらない。
「寝不足? ちゃんと寝てる?」
「すいません…大丈夫です」
澤さんには大丈夫だと言ったものの、このままじゃホントにまずいのは分かってる。
唯一の食事である、お昼のお弁当もまともに用意出来てないし、最近は、お店も忙しくてお客さんの引くのが遅い。
そのせいで、あまり寝れてないのだ。
休憩終わるまで、少し寝よう…
携帯電話のアラームをセットして、ウトウトしたところで、誰かが休憩室に入って来た。
「おつかれ…さま…れ…す」
ん…?
返事が返って来ない…?
誰も来てない…の?
眠いから…
まぁ…いいやぁ…
ん…誰?
肩貸してくれるの?
ごめん…ありがとう…
暖かい…
(ジリリーン ジリリーン)
自分でセットしたアラーム音に、驚き飛び起きると、隣には前谷君が座っていて、彼の白衣が私の膝の上にあった。
「な、なんでここにいるんですか?」
「コーヒー飲ませて貰おうと思って?
ちょっと覗いたら、君が気持ち良さそうに眠ってたから、少しばかり肩を貸してた?」
「貸してた…?
頼んでないけど、ありがとうございました!」
あっ!
また…
なんでこんな言い方するんだろう…
機会があったら、謝ろうと思ってたのに…
「先生…
この前は…言い過ぎました…
ごめんなさい…」
「いや、俺の方が悪かった。
君が言うように、医者としての責任感が無かったと思う。
この通り謝るよ…」
前谷君は膝に手を置き、まるで土下座でもする様に、私に頭を下げた。
「やめて下さい!
頭なんて下げないで?」