過去の精算

「ママはフランス人で、パパは日本人で〜す
わたしはキャサリンで〜す!
ヨロシクですね!」
苦しいだろか?

源氏名を決めかねていたから、さっき女の子達が、見てた雑誌から選んだのだが…
ちょっとキャサリンって、ありきたりだったかな?

「あーだから眼が青いんだ?
ホント綺麗な眼してるね?」

え?
嘘でしょ…こんな冗談みたいな話本気にしたの?
まぁ私的には良かったけど…?

私は両手を合わせて、“ 有難う ” とお礼を言った。

「君、面白いね?
日本人は手を合わせてお礼なんて言わないよ?
今時、食事の時でさえ、手を合わせる子供いないからね?
うちの娘なんて、一緒に食事するのさえ嫌がるし!
誰のお陰で、飯が食えてるとおもってるんだ!って言ってやりたいよ!」

でも、言えないんですね?

余程、家では肩身の狭い思いをしてるのか、事務長は愚痴り始めてしまった。

「事務…モーさん?
大丈夫です!
Papa a toujours été un amoureux」

「え?」

「パパはずっと恋人です!」

「君は嬉しい事言ってくれるね?
よし! キャサリンの為にボトル入れる!」

「Merci チュッ!」

頬を重ねるだけの挨拶のキスに、事務長は有頂天になってしまている。

父親ってこんな簡単な生き物なのかなぁ…
前谷君ももう少し、院長先生と…

「リン…キャサリン!」

「え?」

「僕もキャサリンの為にボトル入れるから、キスしてくれる?」

「浮気はダメです!
スーさんは舞さんのいい人ですね?
ボトルは舞さんの為に入れて下さい!」

「キャサリンは見かけに頼らず、古風なんだな?
気に行った!
これからは、毎日キャサリンに会いに来るからね?」

「ホント? やったー キャサリン嬉しい!
モーさん、約束しましょう!」

私の出した小指へ事務長達は自分のを絡ませ、喜んで帰って行った。

「良いキャラだったわね?」

「舞さん…あれで良かったですか?」

ここでの約束事。
他人の詮索はしない事。
そして、他人(なかま)のお客さんは絶対取らない事。

「うん! 上出来よ?
貴女なら、何処の店行ってもやって行けるわ?
まぁ、ママが離さないと思うけど?」




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