独占欲強めの部長に溺愛されてます

余計な期待はもつなと、自分に言い聞かせるように言う。

リッキーがいなくなれば、当然のごとく野々花の出番は終わり。口実がなければ、加賀美と職場以外で会う理由はない。

それを考えると、野々花の心は深く沈んでいく。
遠くから見ているだけで満足だったはずが、気づけばもっとそばにいたいと願うわがままな自分にげんなりした。


「それにね、加賀美部長には気になる女性がいるみたいなの」
「気になる? 好きってこと?」
「たぶんね」


社内か社外かわからないが、きっと野々花では足もとにも及ばないくらいに素敵な女性なのだろう。そして、加賀美が想いを告げれば、恋人確定だ。


「意外と野々花だったりしてー」


望がからかうようににんまりと笑う。


「そんなわけがないでしょ」


奇跡でも起きない限り、それはない。

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