独占欲強めの部長に溺愛されてます
空からは矢のように滴が降り注ぐだけ。地面を跳ねていた雨が、早々に水たまりを作っていく。
「止まなかったら困りますね」
「そうだな」
「部長、さっきから〝そうだな〟ばっかり」
思わず笑いながら見上げると、加賀美の涼しげな目とぶつかった。
その目が優しく細められ、ドキッとさせられる。
「俺はもうしばらくこうしていてもいいけど」
リードを握っている左手にハンカチを持ち替え、加賀美の右手が野々花の頬に触れる。
(……え?)
加賀美の言動が理解できず、野々花の身体が硬直する。雨のせいか、触れた指先が冷たい。
「ここ、あったかいな」
「そ、そうでしょうか」
鼓動が暴れて収集がつかない。加賀美の顔を見ていられずに俯くと、親指が唇に触れた。
その指がゆっくりとなぞるように動き、心拍がさらに速まっていく。全身の血流が二倍にも三倍にも感じた。