独占欲強めの部長に溺愛されてます
リッキーの散歩に付き合って野々花が風邪をひけば、また加賀美にお見舞いにきてもらえるかもしれないなんて、いけない考えが頭をよぎる。
責任をなすりつけるつもりはないけれど。
「ほら、こっち向いて」
「……ありがとうございます」
言われるまま加賀美に向かい合った。
ハンカチを持った加賀美の手が野々花の髪に触れる。ポンポンと優しく撫でられるたびに野々花の鼓動が跳ねる。
向かい合っていれば、加賀美の眼差しが注がれるのは当然。おかげで加賀美の胸もとから視線を上げられない。
雨が強くなり、雨音が大きくなった。
「雨、止むでしょうか……」
無言がつらくなり、野々花が口を開く。
「そうだな」
「強くなってきましたね」
「そうだな」
いったいいつまでここにいればいいのだろうか。