独占欲強めの部長に溺愛されてます

あれほど口を酸っぱくして言っていたメモも、今ではごく自然な流れで書いているし、途中で放って帰ったりもしない。

たったひとつの仕事の成功で、こんなにも人が変わるのかと野々花も驚いているところだ。

突然のキスから三日が経過したが、野々花はあの夜以来、加賀美の自宅には行っていない。どういう意味でしたキスだったのか、わからないからだ。

彼から好意を示すような特別な言葉をもらっていないため、加賀美の真意が掴めないでいる。
加賀美が自分を好きになるなんて、ありえない話。それこそ夢物語だ。

どうしてキスしたのか問いただせばいいのかもしれない。でも、はっきりとした答えを聞くのが怖い自分もいる。
それならば、あやふやな状態の方がいいという逃げの態勢だ。

キスの後は、止みそうにない雨が弱くなったのを見計らい、駆け足で自宅へ戻った。その後は会話らしい会話もないまま、野々花は加賀美に自宅アパートまで送ってもらった。

あまりにも衝撃的な展開は野々花の心をさらったくせに、加賀美に対する思考回路はオーバーヒートして機能しない状態。どうしたらいいのかわからず、職場でも彼に対しては挙動不審になっている。

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