独占欲強めの部長に溺愛されてます

松村とそんなやりとりをしていると、いよいよ瑠璃が出勤してきた。


「あ、星さんだ。もう大丈夫なんですかぁ?」


野々花を見つけた瑠璃が、いつものように語尾を延ばす。それでも心配はしてくれているようで、真顔で野々花の顔を覗き込んだ。


「うん。昨日はごめんね。ありがとう」
「私、ちゃーんと成し遂げましたよ。ね? 松村さん」
「ま、俺もちょこちょこ手伝ったけどね」


松村がちゃちゃを入れると、すかさず瑠璃が顔をしかめた。


「あっ、それは言わない約束じゃないですかぁ」
「あれ? そうだっけ?」
「もうっ、松村さんってばひどい」


ぷぅと頬を膨らませた瑠璃を野々花が「まぁまぁ」と宥める。


「間宮さん、これ」


言いながら野々花が差し出したのは、瑠璃の好物のチョコレートだ。松村同様にちょっとしたお礼のつもりである。

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