もう、我慢すんのやめた
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『頭を強く打ったせいで、今はまだ意識が戻りませんが、軽い脳震盪なのですぐに回復するでしょう。ただ、左足の骨折は全治2ヶ月はかかります。ギプスが取れたら少しリハビリも必要なので、ゆっくり治していきましょう』
あれから、すぐに救急車がやってきて、救急車に乗せられた弥一の付き添い人として私も救急車に同乗して
病院に着くまでの間に、弥一の親と自分の親に連絡を済ませ、病院で合流した。
頭が真っ白で、何も考えられなくて。
病院の先生の話もボーッとしたまま聞いて、頭の中はかれこれずっと『どうしよう』でいっぱい。
私のせいで、弥一にケガをさせた。
ううん……打ちどころが悪かったら死んでたかもしれない。
そう思うと、身体中が震える。
「……芽唯?そんなに自分を責めないで?弥一が助けたくて助けたんだから。むしろ、あそこで芽唯を見捨ててたら、私が許さなかった」
「だから、ね?」と優しく微笑む弥一のお母さんになんて返していいのかすら分からない。
昔から弘子おばさんって呼んで慕ってきた。優しくて、料理上手で、私を本当の子みたいに大事にしてくれる。