もう、我慢すんのやめた

「……さっきから、質問の意図がよくわかんねぇ」

「萌菜、これは2人の問題だし!やっぱ俺たち」

「テツは黙ってて!……ほんとに分かんないの?」


割って入ろうとするテツを制して、安藤の鋭い視線が再び俺を射抜く。


正直、本気で分かんねぇよ。
俺は芽唯と別れたし、そもそも最初から最後まで俺の一方的な片想いで。


俺が芽唯に気持ちを言わなかったら。
あの時、芽唯にあんな顔させずにすんだのにって、今でも悔やんでるくらい芽唯が大事で。

それはきっとこの先も、変わらない。


好きだって気持ちを、どんなに消そうと足掻いても、消えるどころか思いはどんどん濃く染まる。



兄貴みたいに、余裕のある男になりたくて。


『芽唯がアイツを選ぶなら、俺はいつだって送り出す覚悟だった』


あんなこと言ったけど。
どこで覚悟決めたんだよってくらい、芽唯がいない毎日に後悔してる。


だけど、他にどうしようもねぇだろ。


『私は、どう頑張ったって弥一が好き』


あの時の芽唯の顔が、頭から離れない。


苦しそうに歪められた芽唯の顔が脳裏をよぎるたび、俺の心もはち切れそうになる。
< 211 / 233 >

この作品をシェア

pagetop