もう、我慢すんのやめた


「芽唯が幸せなら、俺はそれでいい」

「芽唯が幸せかなんて、なんで分かるの?」

「……は?」



カッコつけて呟いた言葉を、真っ向から否定するような安藤の言葉。


思わず、間抜けな顔をしてしまった。


だって、幸せじゃないはずがねぇだろ。
芽唯は今、ちゃんと自分の好きなやつと同じ時間を過ごしてんだから。


幸せでいてくれねぇと、俺が報われねぇ。



「は?じゃない!」

「っ、」

「芽唯がどんな気持ちで佐倉にさよならしたのか……どんな気持ちで今をすごしてるのか!芽唯のことが大事なら、もっと、ちゃんと見てなさいよ!あの子の何を見てきたら、あんな下手くそな嘘に騙されるわけ?」



「私も、人のこと言えないけど」そう付け足して悔しそうに下唇を噛む安藤。

それを、隣でテツがなだめ始める。


さっきから、何が何だかさっぱりわからんねぇ。


「……嘘って?」

「まだわかんないの?色々うだうだ考えて、必要以上に遠回りしちゃう芽唯もバカだけど。そんな芽唯を簡単に手放して、追いかけようともしない佐倉はもっとバカだって言ってんの!」


段々ヒートアップし始めた安藤は、目の端に涙を浮かべて。
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