もう、我慢すんのやめた
「最後って、言った?……なんで?弥一のケガが治ったから?そのことなら別にゆっくりでいいんだよ?」
やけに弥一が儚げで、ついつい早口になる。
だけど弥一は、私の言葉に小さく首を振って、加えて穏やかに笑った。
「俺がズルいやつだって、知ってるでしょ?」
「……え?」
「初めは芽唯の気持ちが俺になくてもいいって思ってた。一緒にいたらどうにでもなるって。なんなら、振り向かせる自信だってあった」
「……弥一?何言ってんの」
食べることをやめた弥一のソフトクリームが、ドロドロと徐々に形を崩していく。
それを目で追いながら、弥一の次の言葉を待つ。
「最初は、本当に元カノのことでショック受けてて、たまたま再会した芽唯に慰めて欲しくて近寄った。本当にそれだけだった。でも、あの時から……芽唯のそばにいるアイツの存在が、どっか引っかかってモヤモヤしてたのは事実で」
伏し目がちに、あの日のことを思い出しながら話しているらしい弥一の話を、相槌を打つことも忘れて聞き入る。