もう、我慢すんのやめた
「それがなんでなのか考えた。芽唯がアイツといるのを見かける度に胸がザワザワして、気ぃ狂いそうだって思ったときに初めて、俺も知らない俺の初恋に気づいた。……妹だと思ってたはずの芽唯のこと、本当はずっとどこかで女の子として見てたんだって」
フッと柔らかく笑う弥一の瞳は、溶け続けるソフトクリームに注がれたまま。
だけど、それを口に運ぶことはしない。
私のソフトクリームもどんどん溶けて、気付けば手首を冷たい感覚が伝う。
慌ててテーブルの上に出していたティッシュで拭うけど、そのひんやりとした冷たい感覚がなかなか消えてくれない。
「俺、今大事なこと言ったのに。ムードの欠片もないな、芽唯は」
「ご、ごめん……!でも、私と弥一の最後の思い出ってやつ。まださっぱり分かんない」
何がどうなったら、最後って言葉に結びつくの?
「だから。簡単に言えば、芽唯を自由にしてやろうと思って。俺のケガが治るまでそばにいて欲しいって、芽唯のことアイツから遠ざけて俺のそばに縛ったけど、もうそれは終わり」
思いもしなかった言葉に、どう反応していいか分からない。別に私は弥一に縛られてたなんて思ってない。
むしろ、私のせいで弥一が色々なものを犠牲にした。