おじさんは予防線にはなりません
机が大きな音を立て、椅子の上で小さく飛び上がってしまう。

「コピー用紙を補充しとくのはあんたの仕事でしょう!?」

なんでコピー用紙が切れていただけで、こんなに怒られなきゃいけないのかわからない。
さっきまで私に仕事を教えていた本多課長は関わりあいたくないのか、手元の書類を読むフリをしていた。
いつまでたっても席を立たない私に女性社員はばさりと髪をかき揚げ、持っていた紙をイライラと私の鼻先に突きつけた。

「さっさと補充して!
早く!」

「はい!」

反射的に椅子から立ち上がる。
それ以上、なんか言われるのも怖いし、コピー用紙の包みを抱えてコピー機のところに行って、補充した。

「これでいいでしょうか……?」

「最初からそうしとけばいいのよ」

フン、鼻息荒くコピー機に向きあい、女性社員は私を無視してコピーをはじめた。
たぶんもう用はなくなったのだろうから、そろそろと席に戻る。
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