おじさんは予防線にはなりません
「さっさといけ!」

「は、はい!」

池松さんの鋭い声に、わたわたと村田さんと布浦さんはその場をあとにした。
ふたりがいなくなり、私の方など見ずに池松さんは足を踏み出す。

「行くぞ」

「……はい」

振り向かずに歩いていく池松さんの後を追う。

怒らせた。
あきれさせた。

後先考えなかった自分の行動を後悔した。


商談ブースで向かい合うように私を座らせ、池松さんははぁーっと大きなため息を落とした。

「どうした?
羽坂らしくない」

池松さんの言うとおり、自分らしくないとは思う。
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