おじさんは予防線にはなりません
さらに意地悪く宗正さんに笑われ、悔しさからか俯いてしまった。

「まあ、誰が誰と付き合おうと勝手だからな。
それに人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまえともいうし。
……ほら、みんなさっさと昼休み行かないと、メシ食いっぱぐれるぞ!」

あたりを支配していた重たい空気が池松さんの明るい声で晴れていく。
きっかけを作るかのようにパンパンと手を叩かれ、完全に日常に戻っていた。

「詩乃、いこ」

「あ、はい」

手を引っ張られて俯いていた顔をあげる。
宗正さんは小さく頷いてくれた。


宗正さんにつれられてきたのは蔦の絡まる雑居ビルの二階にある、洋食屋さんだった。

「なんかごめんね、さっき」

「いいえ」
< 129 / 310 >

この作品をシェア

pagetop