おじさんは予防線にはなりません
もう結婚して、子供もいるからなのかな。

とにかくそういう人に頼まれると、どうにかしてあげたいなってなる。

「大丈夫ですよ、まだ締め日を二日過ぎただけですから」

「ほんと!?
ありがとう!
次から気をつけるから!」

ぱっと井村さんが顔を輝かせた。
こういう人のためならほんと、力になりたい。
一週間も過ぎて平気で押しつけてくる人とは違って。

「おー、珍しく井村がなんかミスか」

自分の机に戻っていく井村さんを目で追いながら池松さんはいつものように、隣の椅子に後ろ向きに座った。

「経費の領収書、出すの忘れていたそうです。
仕方ないですよね、井村さんは子育てとの両立で忙しいんですし」

もし私が結婚したとして。
そして子供が産まれたとして。
井村さんのように働けるだろうか。
< 136 / 310 >

この作品をシェア

pagetop