おじさんは予防線にはなりません
「……ぷっ。
そういうの、詩乃らしい」

いま吹き出しかけましたよね?

そういうのはちょっとムッとする。

「……大河もやってみればいいんだよ」

ぷーっと頬を膨らませてジト目で睨んだら、宗正さんはわたわたと慌てだした。

「ごめんごめん。
イヤリング、気に入るのあったら買ってあげるから、許して?」

急いで拝まれると悪い気はしない。

「……許す」

「よかったー」

ぱーっとみるみるうちに顔が輝き、見えないしっぽがふりふりしている宗正さんは可愛い。
というか私、宗正さんに甘くない?

お店の中を見ていると指環のコーナーが目に入ってきた。

ペアの指環につい、池松さんの指環を思い出してしまう。
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