おじさんは予防線にはなりません
「……だから。
羽坂と俺は付き合ったりしてない」

「そうなの?
でも、和佳が羽坂さんを見る目……」

「世理!」

珍しく池松さんが大きな声を上げ、一瞬にして車内が静かになる。
ただ、カーステから静かな洋楽だけが流れた。

「……ごめん」

「いや、俺も悪かった」

そのあと会社に着くまで、誰も口を開かなかった。


会社の裏で車を降りる。

「あ、今度、東京コレクションでヘアメイクの仕事が取れたの。
よかったら来てね」

「ああ」

「じゃあねー」
< 234 / 310 >

この作品をシェア

pagetop