おじさんは予防線にはなりません
ひらひらと手を振って世理さんは去っていったけど……いったい、何者?
あの、日本最大級のファッションイベント、東京コレクションでヘアメイクの仕事とか。

「俺はその辺で少し時間を潰してから出社するから、羽坂は先に行ってろ」

「えっと……」

「一緒に出社したら、世理みたいな奴がいるだろ」

「あ……」

池松さんが苦笑いし、ようやくマズい状況にあるのだと理解した。

「じゃあ、お先に」

「ああ」

裏口から入る私と違い、池松さんは近くのコンビニへ向かったようだった。
こういう、小さな気遣いがいちいち嬉しい。

「おはようございます」

まだ、大河は出社していないようでほっとした。
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