おじさんは予防線にはなりません
「よし、決まりだ」

チン、エレベーターが到着して扉が開く。
私の荷物を取って池松さんはエレベーターへ乗り込んだ。



池松さんが私を連れてきてくれたのは、いつか大河も一緒に連れてきてくれた焼き肉店だった。

「あの……いいんですか、ここ」

「羽坂の送別会だからな。
かまわない」

おしぼりで手を拭きながら池松さんはにかっと悪戯っぽく笑った。

「まずは。
いままでありがとう。
お疲れ様」

「ありがとうございます」

カツン、軽くジョッキをあわせて乾杯する。
ごくごくと一気にビールを飲む池松さんを、ぼーっと見ていた。
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