おじさんは予防線にはなりません
早津さんは自己都合の退職とはいえ事情はわかっているので、できるだけ尽力すると入ってくれた。
けれどそうそう簡単に見つかるはずもない。

「ないなら俺に、紹介させてくれないか」

「え?」

思わず、顔を上げる。
レンズの向こうから池松さんがじっと私を見ていた。

「羽坂が辞めるのはその、……俺のせい、だろ。
だったら次の勤め先、紹介させてほしい」

池松さんは私から視線を逸らさない。
ジュージューと肉の焼ける音だけがふたりの間に響く。

「……池松さんのせいではない、ので。
それにそうだったとしても、池松さんが責任を感じる必要はないので」

つい、目を伏せて視線を逸らしてしまう。
焼き網の上では肉が炭に変わっていく。

「俺は。
……羽坂とこのまま、終わるのは嫌だ」

伸びてきた手が、私の手を掴む。
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