おじさんは予防線にはなりません
「は?」

いつまでも私が立たないでいると、はぁーっとため息をついて池松さんは椅子に座り直した。

「その、……嬉しいんだ」

「嬉しい?」

「ああ。
パパに、なれるのが。
……愛するは……詩乃との間の子の、パパになれるのが、嬉しいんだ」

ぽろり、涙がこぼれ落ちていく。

「詩乃?」

ぽろり、ぽろり。
こぼれ落ちていく、涙。

「えっ、あっ、その。
……嬉しくって」

「……うん」

慌てて、落ちる涙を拭う。
笑って池松さんを見た。
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