おじさんは予防線にはなりません
社員の池松さんにこんなことをいうのは気が引ける。

「そーだよなー。
問題児が軒並み休みだと、平和でいいわな」

しれっと池松さんが言うから、ぶわっと冷や汗かいた。
当人たちが休みでも、聞いた誰かが告げ口しないとは限らない。

「いつもこうだといいのにな」

はぁっ、小さくため息をついて池松さんは苦笑いを浮かべた。

本多課長が上司として部下に注意できないから、池松さんが憎まれ役を引き受けている。
池松さんはそういう役回りの人間も必要だからって笑っているけど、私は納得したくない。
だって池松さんは吹けば飛ぶような派遣の私にも優しくしてくれるような人だから。

「もう少しで昼休みだ。
……って、もう十二時なったな。
昼メシ一緒にどうだ?」

気持ちを切り替えるように池松さんは椅子から立ち上がって笑った。

「はい。
お願いします」
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