おじさんは予防線にはなりません
「なにかご用ですか?」
誤魔化すように笑ってみせる。
池松さんははぁーっと大きなため息をつき、ちょっとだけ困ったように笑った。
「ほい、これ」
池松さんから差し出されて受けけ取ったそれは、事務用品申請の用紙だった。
しかも内容はポケットファイル十冊になっている。
「……あの、急ぎますか?
いま在庫、切らしてて……」
さっき村田さんに十冊もポケットファイルを渡してしまったせいで、残りは三冊になってしまった。
「いや。
さっきの村田の分、それで埋め合わせとけ」
「あ、ありがとうございます!」
勢いよくあたまを下げる。
池松さんは照れたようにサーモントブロー眼鏡のブリッジを、曲げた人差し指の関節でくいっとあげた。
誤魔化すように笑ってみせる。
池松さんははぁーっと大きなため息をつき、ちょっとだけ困ったように笑った。
「ほい、これ」
池松さんから差し出されて受けけ取ったそれは、事務用品申請の用紙だった。
しかも内容はポケットファイル十冊になっている。
「……あの、急ぎますか?
いま在庫、切らしてて……」
さっき村田さんに十冊もポケットファイルを渡してしまったせいで、残りは三冊になってしまった。
「いや。
さっきの村田の分、それで埋め合わせとけ」
「あ、ありがとうございます!」
勢いよくあたまを下げる。
池松さんは照れたようにサーモントブロー眼鏡のブリッジを、曲げた人差し指の関節でくいっとあげた。