おじさんは予防線にはなりません
「和佳も隅に置けないわね。
さっさとこの子と付き合っちゃいなさいよ」

「……世理」

今度、池松さんが世理さんを呼ぶ声は酷く重かった。

「ただの会社の子で、俺にそんな気は全くない。
羽坂にも失礼だろ」

「えー」

池松さんは僅かに怒っているように見えるが、世理さんは全く堪えていないのか、ぷーっと頬を膨らませた。

「そんなことしても可愛くないからな」

くいっと眼鏡を、池松さんが押し上げる。

……あ、なんだかんだいってもやっぱり可愛いんだ。

「待ち合わせはいいのか。
仕事で遅れたら信用問題になるだろ」

「もう行くわよぅ。
羽坂さん、今度一緒にゆっくり、お茶でもしましょ」
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