おじさんは予防線にはなりません
そのままぱらぱらと散っていき、すぐに私たちの方を見ている人間はいなくなった。

「ね、いいよね」

押し切るようににぱっと笑われたら断りきれない。
それに、いまのは助けてくれたんだと思うとなおさら。

「……はい」

引き出しからお弁当の入ったバックを出して渡す。
宗正さんは引き替えにコンビニの袋を渡してくれた。

ぱりぱりとパッケージを破っておにぎりを囓りながら作業を再開する。
宗正さんは机の上のパッキンをよけて、その場で私のお弁当を開けた。

「羽坂ちゃんのお弁当って美味しそうだね」

嬉しそうににこにこ笑いながらお弁当を食べられると恥ずかしくなってくる。

昨日、買って帰った、お総菜の唐揚げの残りを酢豚風にアレンジしたのと玉子焼き、小松菜の炒め物に彩りのミニトマト。
そんなに手の込んだものは作っていない。

「……褒めたってなにも出ないですよ」
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