おじさんは予防線にはなりません
私としては一分一秒が惜しいので、さっさとどこかに行ってほししい。

「羽坂ちゃん、弁当だよね。
オレのおにぎりと交換しない?」

「……はい?」

キーボードの上で手が止まる。
思わず宗正さんを見ると、どうしてか星が飛びそうなほどきらきらした顔で私を見ていた。

「オレのおにぎりあげるからさ。
羽坂ちゃんのお弁当、オレにちょうだい?」

可愛く小首を傾げられても困る。
それでなくてもさっきから、じみーに刺さる視線を感じているのだ。
そんなことをしたらそこにおいてあるパッキンにさらにもう一箱か二箱、追加されかねない。

「あのー」

「どうでもいいけどさ。
オレ、人に無理な仕事を押しつける人間、嫌いなんだよねー」

わざとらしく宗正さんが大きな声を出した途端、集中していた視線が動揺した。
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