My Angel 〜私の天使〜
保健室に着き、中を見渡すと2つあるうちのベッドの1つが隔離されているようにカーテンで仕切られていた。
おそらくここだろう。
そーっとカーテンを開けてみると、スヤスヤと寝ているゆきの姿があった。
ベッドに近づき側にあった椅子に座ってゆきの手を握った。
それでもなにも気づかず気持ちよさそうに寝ているゆきを見ていると、胸が少し苦しくなった。
どうして私に言ってくれなかったのだろう。
どうして湊には言って、私には。
ゆきのことがわからない。
どうすればいいのかもわからない。
ただこうしてゆきの手を握ってあげることしかできない。
「ゆき...ーーーーーーー好きだよ」
こんな私の独り言は、誰にも聞かれることなくこの静かな保健室に消えていった。