この溺愛にはワケがある!?
隆政がシンガポールから帰ってきたのは、同じ週の金曜日。
その日の朝、早速土産があるから土曜日に渡したいとメッセージが入った。
予定があるからと断りたかったが、残念なことに美織は土曜日特に予定はない。
嘘をつくことも出来たが、本当にマーライオンを持ってきたのかどうかにも興味があったので『わかりました』と送り返した。

すると、すぐ軽快な音が帰ってくる。

『じゃあ、11時に迎えに行く。久しぶりに会うからすごく楽しみだよ』

……………………。
美織は首を傾げた。

(迎えにくる?なんで家を知っているの??……あっ!そうか、行政さんに聞いたのね。ガチのストーカーかと思った……)

と簡単な疑問を自分で解決し、美織はまたメッセージを返信する。

『了解です。ありがとう』

ほんの簡単なメッセージに、隆政は何のつもりかハートの乱舞する大袈裟な画像を返信してきた。
若い女の子が使うような可愛い画像に、隆政の顔を思い浮かべて思わず吹き出してしまう。
美織はそれを出来るだけ見ないようにして(笑いすぎるため)仕事に行く支度を始めた。
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