かわいい戦争
「そもそもなんで利希が璃汰を連れてったのかというと……あれはいつ頃だったっけな。冬休み明けだったか?利希と繁華街を歩いてたら、偶然璃汰がナンパされてたんだよ」
「顔面偏差値超低い奴らだったな。よくあの程度で女を引っかけたもんだ。……いやあの程度だから、自分から声をかけねぇと彼女の1人や2人できねぇのか。ブスな奴らは大変だな」
「ナンパしてた奴らのことなんかどうでもいいし、彼女は普通1人だし、あとブスって言うな。次言ったら蹴んぞこら。お前は顔面偏差値の高さを性格の悪さが上回ってんだよ。ちょっとは直せ」
天兒さんが応酬しかけて、幸珀さんの咳払いが大きく鳴った。
「え、えっと……それで!」
「う、うん!璃汰がナンパされてて、それで?」
「ナンパしてた奴らも俺たちも、璃汰がアイドルやってんの知らなくてさ。ナンパしてた奴らはかわいい子だしちょっと遊んでやろーって感じで、チャラチャラしてるくせして諦め悪かったんだよ。見兼ねた俺が助けに行こうとして……」
「勇祐くんだけ?天兒さんは……」
「こいつが助けるわけねぇだろ」
「俺、何してたっけ。……あーそうだ、どんくらいで璃汰が負けるか予想してたんだ」
「まあ簡単に言えば、ずっと傍観してたんだ。さっきみてぇにな」
そうだった。キャバクラでも観察してた。