かわいい戦争


隣にいる未來くんのほうを向けば、たまたま視線が絡んだ。


ニィ、と白い歯を覗かせる未來くんに、つられてほころぶ。



『辛気臭い顔で助けに行っても、璃汰ちゃんは安心しないっしょ?』



本当だ。

今ので不安が吹っ飛んだ。


不思議だね。


笑顔が強さをくれる。




「はなから殺るつもりだったっつの。そこのおっさんも望んでるみてーだしな」


「……僕も、怒った」


「今回は手加減しなくていいよな。思う存分相手してやるよ!」


「見るも無残な最後を遂げるのはどっちだろうね~?」




4人の殺気が充満していく。


ピりついて、蠢いて、慄いて。

心の臓ごと鷲掴みにする。



彼らと出会っていなかったら、今頃わたしは卒倒していた。


ひどく恐ろしいのに凄まじくて、痺れては惹かれてしまう。




「ほとんどの奴が鉄パイプやらこん棒やら持ってるみてぇだな」


「素手じゃ勝てねぇっつってるよーなもんじゃねーか。だっせー」



「あぁん!?」

「なめてんじゃねぇぞ!!」

「ムカつくんだよ!!」




勇祐くんは単なる分析だとして、天兒さんのアレは挑発なのか素なのか……。


べ、と舌を出してピアスをぎらつかせる。



……うーん、素、かなぁ?

< 295 / 356 >

この作品をシェア

pagetop