愛されプリンス½
「まぁファンクラブの奴らの気持ちも分からなくないけどねー」
うげぇ、と思い切り顔をしかめる私に苦笑いするみのり。
「私だってアイドルとか超金持ちのお嬢とかならともかく、フツーの一般人が彼女になんてなっちゃったら…許せないもんなぁ」
みのりが雑誌を閉じて、ギュウ…と雑誌の表紙を握りしめる。
握り潰され、クシャクシャになった表紙のモデルを見て、ゾクリと背中を冷たいものが走った。
「その彼女、こんな風にしちゃうかもしれない♡」
やっぱりこの子も怖いわー!!!
だけど、所詮プリンスなんて私には遠い遠い存在。
どうやらクラスは隣らしいけど、実際の距離はそれより遠い。
私みたいな平凡女とは縁のない雲の上のお方―――そう思っていた。
そう、その時までは。