愛されプリンス½
写真バラまかれたくなければ大人しくついてこい。
と脅され、私は仕方なく天王子の後を追い中庭を突っ切る。
「ちょっと!何で私がアンタのお昼に付き合わなきゃいけないわけ!?」
「うっせーなぁ、助けてやったろ。黙れボケカス」
人目がある所なので天王子が最高に爽やかな笑顔を私に向ける。
顔と口調がミスマッチすぎて怖いんですけど。
「それにしたって学校では関わらないって約束…!」
「言っとくけどルールは俺だ」
立ち止まって、ニッコリ笑みを深める天王子。
周りから、キャ~ッという女子の悲鳴が聞こえた気がした。
「俺が決めたことが全てだから。分かったら黙ってついてこい村人E」
颯爽と私に背を向け歩き出す天王子。
「…全っ然分かんないんだけど!!」
と文句を言いつつ黙ってついていくしかない私は…
やっぱり何の権威も権力もない、ただの村人Eなのかもしれない。