わたしと先生。
私、受けられるんだ。
まだ、終わったわけじゃないんだ……。
よ、よかったあ……。
ほっと息をつく。
でも、それもつかの間。
『さっ、こっちに移って準備してちょうだい。時間は他の子と一緒だからね。』
『は、はい!』
そうして私は無事保健室で受験することができて。
力もいつも通り発揮して、見事香ヶ丘高校に合格することができた。
あの時は、試験のことで頭がいっぱいで。
助けてくれた先生のことを考えている暇もなかった。
でも、合格発表が終わって入学が決定してから。
助けてくれた先生のことを繰り返し思い出した。
ふわふわな黒髪天パ。右目に泣きぼくろ。垂れた目。
濃い紺のセーター。そして、力強い腕。
『名前、なんて言うんだろ……。』
あの光景が忘れられなかった。
あの腕の暖かさが、忘れられなかった。
また、会えるかな。
また会えることを夢見て、私は心を躍らせた。
*
「先生!」
そう声を張りあげれば、さっきの人がこちら振り向く。
瞬間。
強く風が吹く。
あまりの風の強さに思わず目を閉じてしまう。
それでも頑張って目を開ければ。
「……っ。」
まだ、終わったわけじゃないんだ……。
よ、よかったあ……。
ほっと息をつく。
でも、それもつかの間。
『さっ、こっちに移って準備してちょうだい。時間は他の子と一緒だからね。』
『は、はい!』
そうして私は無事保健室で受験することができて。
力もいつも通り発揮して、見事香ヶ丘高校に合格することができた。
あの時は、試験のことで頭がいっぱいで。
助けてくれた先生のことを考えている暇もなかった。
でも、合格発表が終わって入学が決定してから。
助けてくれた先生のことを繰り返し思い出した。
ふわふわな黒髪天パ。右目に泣きぼくろ。垂れた目。
濃い紺のセーター。そして、力強い腕。
『名前、なんて言うんだろ……。』
あの光景が忘れられなかった。
あの腕の暖かさが、忘れられなかった。
また、会えるかな。
また会えることを夢見て、私は心を躍らせた。
*
「先生!」
そう声を張りあげれば、さっきの人がこちら振り向く。
瞬間。
強く風が吹く。
あまりの風の強さに思わず目を閉じてしまう。
それでも頑張って目を開ければ。
「……っ。」